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豊橋で自然栽培を営む農家さんに聞いた!美味しいさつまいものそもそもの話


普段、スーパーで何気なく手に取る野菜。自分や家族など大切な人が食べる物はどこで、誰が、どんな思いで作っているか知りたいと思いませんか?

昨年の秋に開催した豊橋応援ガールズの主催イベント「さつまいも掘り&バーベキュー」は大好評!その際にご協力いただいた豊橋市の農家さんが、今回ご紹介するさつまいも農家の鈴木さんです。「今年も美味しいさつまいもが食べたーい!」というメンバーの提案で「豊橋の『おいしい』を満喫Project」の第1回目としてパワーアップして帰ってきました。

今回は鈴木さんが農業を始めたきっかけや今後の取り組みについて、お話をうかがいました。

プロフィール

豊橋出身・在住、12年間自動車系企業で生産管理等に従事、効率とコストを突き詰め続けることに疑問を感じていた頃、たまたま出会った自然栽培に魅せられて30歳でUターン帰農。主な生産品目はさつまいも。その他に大根、ソラマメ、パクチーなども。こだわりの農産物を集める宅配業者や八百屋、飲食店への卸の他、直接食べる人と繋がってのダイレクトマーケティングも手掛ける。最近、ハマっていることは干し芋づくり。

実は、農家を継がないと決めていた幼少期

鈴木さん(左)、豊橋応援ガールズ代表さき(右)

しほ:サラリーマンをしていた鈴木さんが農家を継ぐことになった経緯を教えてください。

鈴木さん:うちの祖父が専業農家、両親は兼業農家でした。両親が共働きだったので、小学生の頃は学校が終わると祖父母の家に行っていました。自然と畑を手伝うようになり、冬にサトイモを洗えと言われて1時間かけて洗い、もらえたお小遣いが50円。その時に、農家は絶対にやらないと決めました(笑)

しほ:幼いころから農業の大変さを体験して育ってきたんですね。絶対にやらないと決意した鈴木さんが農業をはじめたきっかけはなんですか?

鈴木さん:高校を卒業して会社に就職しました。うちの父親も外で働きながら兼業農家をしていて定年後に専業で農家をやると言っていたので、心のどこかでいつかは家の農業をどうするか考えないといけないのかなと思っていました。と言っても30年や40年先のことだと。

しばらくして父が亡くなり、親のことや家のことが心配だったのもあり、週末はよく実家に帰っていました。その時に、「趣味でいいから畑をやってみないか?」と言われたのがきっかけです。

実家の畑の一角を使って、趣味で週末に農作業をはじめました。凝り性なので、始めて少ししたら本を読んで独学で勉強をするようになりました。一人暮らしのアパートのベランダにあるプランターで野菜を作ったりもしていました。

しほ:農業とは無関係のサラリーマンをしながら、趣味の範囲で作物を育てていたんですね。

鈴木さん:趣味ではじめた畑がだんだん楽しくなってきて、兼業でやりたいと思うようになりました。当時、農業の勉強をしたいと思い月1回自然栽培の勉強会に通っていました。そこでは同年代や年上の人たちが通っていて、意外にも実家が農家の人はいませんでした。

農業をやりたい人はたくさんいるけれど、やりたくても畑がないという人が多かったんです。農家をやりたいと思っても農地や住む場所、設備や機械などが必要。始めたとしても生活ができるようになるまでに時間がかかる。ある農業法人の社長さんは「本気でやりたいなら2,000万円、最低でも1,000万円用意しないと厳しいよ」と言っていました。

しほ:2,000万円もあったら家が建ちますね!まとまったお金が必要となると、農家になりたい思う若い人にはかなりハードルが高いのではないでしょうか。

鈴木さん:農家は他の事業よりもお金になるのに時間がかかります。農業をやりたくてもできない人たちを見てきて、自分は環境も恵まれているし戦略さえあればやれるんじゃないかと思いました。農家をやりたくないと思っていた理由は大変なわりに「お金にならない」という、子どもの頃の50円の思い出があったからです(笑)

やりたいと思ったら、本やブログなどでうまくいった事例を調べたり、実際にやるならこんな農業がやりたいと思える農家さんや農業法人を尋ねたりして参考にしました。

その後、仕事を辞めて1年間研修に通い、おじいさんに「農業をやります」と言いました。

しほ:そのときのおじいさんの反応はいかがでしたか?

鈴木さん:「おすすめはせんぞ。やめとけ。」と言われました。祖父は農家が大変だということをよく知っているから。「でも、そう決めたなら頑張れ。」と言ってくれました。

鈴木さんが作る、こだわりの作物のそもそもな話

えつこ:今出荷しているのは野菜の種類はなんですか?

鈴木さん:今期は出荷しているのはさつまいもだけです。あとはこれからの季節だと大根、パクチー、春菊、ほうれん草。春にそら豆、にんにくですね。オーナーやシェフ、大将と直接やり取りをしている飲食店に出す程度なので量はそんなに多くはありません。基本的に産直に持っていくことはしていません。あとはさつまいもを買ってくれた時におまけでつけたりします。

しほ:鈴木さんのお野菜を購入できる場所はどこですか?

鈴木さん:豊橋だと豊橋駅前のココラアベニューにある、豊市です。

えつこ:来月に行うさつまいも掘り体験をできるさつまいもの種類はなんですか?(さつまいも堀り体験の情報は記事の後半にあります)

鈴木さん:紅はるかです。

えつこ:さつまいもを5種類育てているそうですが、種類によってどんな違いがありますか?

鈴木さん:甘さと肉質(粉質と粘質)が違います。なので、出荷先によってさつまいもの種類を分けています。販売用とメインで卸しているのは紅はるかです。10月~11月に収穫をして甘くなるまで寝かせます。そして、12月~3月に出荷します。

えつこ:さつまいもはどれくらい寝かせると甘さが増しますか?

鈴木さん:収穫してから1か月あれば充分です。苗を植えてから90~120日くらいで収穫する方が多いですが、うちは基本的に150日を目安に収穫をしています。

えつこ:土の中にいる時間が長い方が甘くなりやすいんすか?

鈴木さん:品質や苗の質が一番要因として大きいですが、やはり畑に長い期間いる分、多く光合成をして栄養を蓄えているので甘くなりやすいですね。

しほ:土の中に長くいる方が甘くなるとわかっているのに、なぜほかの農家さんは早く出荷するのですか?

鈴木さん:単純に効率が悪いのと市場出荷や農協出荷の構造上、特段さつもいもの名産地などでない限りそこまでする必要とメリットがないからですね。早いサイクルで畑を回した方が別の野菜を植えて収益化が出来るからです(豊橋だと春キャベツなど)。

まだまだ、みんなが出荷していない時期に出すと2倍くらいの値段で売れます。

しほ:旬の野菜は旬でないものと比べると、栄養価が全然違うと聞いたことがあります。スーパーで売っているものが旬だと思っていたので、こういう市場の原理を知りませんでした。

鈴木さん:旬は値段が安くなっているときですね。もともと付き合いのある業者さんから9月の頭くらいに出荷してほしいと言われたり、新規のお客さんからも言われたことが何件もありました。

しほ:確かに、さつまいもは9月から食べたくなる気がします。

鈴木さん:気候に合わせて作っていくと、うちの畑は11月や12月がさつまいもの出荷に1番いい時期。でも、他の農家さんも沢山出荷している時期なので、市場や農協に持ち込むとものすごく安い値段になってしまいますね。

そんなこともあり、うちでは明確に「こういうものが欲しい!」と思っている人との直接の取引、またはそういったお客さんとしっかり繋がっている八百屋さん、宅配業者さん、飲食店さんとのお付き合いを大事にしています。

しほ:消費者としては良い物が安く手に入るのは嬉しい。しかし、生産者さんにとって負担になると今後のためにならない。結果として生産が立ち行かなくなり、商品を求める消費者も苦しむだけです。消費者として、誰がどのように作ったものか考えながら手に取るようにしていかなければと思いました。

「甘い甘藷そもそも」の誕生秘話

Instagramのスクリーンショット https://www.instagram.com/kansyo_somo2/

しほ:鈴木さんのさつまいもを発信しているSNSの名前は「甘い甘藷そもそも」。甘藷は

さつまいもの別名で、上の世代の方が使うイメージです。甘い甘藷そもそもの「そもそも」の由来はなんですか?

鈴木さん:自分がよく口癖で言っていたんです。そして、農業を続ける上で「そもそも食べるって何だろう?」「農業ってなんだろう?」と考えながらやりたいんです。初心を忘れないようにしよう。それに面白い響きで変わった名前にしようと「甘い甘藷そもそも」と名付けました。

しほ:今後、鈴木さんは農家としてこんなことを展開していきたいということはありますか?

鈴木さん:お客さんともっともっと直接繋がりたいなと思っています。よく「顔の見える食材、料理」って言いますよね。僕ら農家もお客さんの顔を見たいんです。金勘定を考えるだけではつまらない。また、自分が作ったものに対してお客さんが見せてくれるのが楽しい。おいしかったよ、またよろしくなどの反応はうれしいですね。

豊橋応援ガールズ主催!豊橋の「おいしい」を満喫project!

そんな鈴木さんのこだわりのさつまいもを楽しめるイベントを企画しました!

その名も「豊橋の『おいしい』を満喫project Vol.1秋のさつまいもスイーツ」です。

イベント詳細は下記の通りです。

【日時】平成29年11月4日(土)9:00~12:00 【場所】鈴木さんの畑 【内容・タイムスケジュール】 9:00 二川駅南口 ロータリー集合

9:15 芋掘り収穫体験&さつまいも講義 10:00 さつまいもスイーツ作り 12:00 解散 【参加費】おとな1,500円、こども(小学生)500円 ※未就学児無料 【持ち物】汚れてもよい服や靴、エプロン、ハンドタオル 【申し込み方法】 下記内容をメールしてください。 cheerup.toyohashi@gmail.com ①代表者お名前 ②参加人数(おとな〇名、こども〇名) ③連絡先(メールアドレス、電話番号) ④移動手段(車or公共交通機関)

最新情報はFacebookのイベントページ(こちら)をご覧ください。

去年芋堀イベントの様子

豊橋応援ガールズと鈴木さんのさつまいもコラボイベント!

興味ある方は是非!ご参加ください!

鈴木さんの作った美味しいさつまいもが楽しみです。

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甘い甘藷そもそも

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